美意識が高すぎる!コンゴの謎のオシャレ集団「サプール」とは?

中部アフリカに位置するコンゴ。

内戦が続き、アフリカの中でも貧しい国の中で一際輝く男たちがいます。

それがコンゴのファッション集団「サプール(サプ)」です。


1)世界一オシャレな紳士集団「サプール」とは!?

サプール(Sapeur)とは「おしゃれで優雅な紳士協会(La Societe des Ambianceurs et des Personnes Elegantes」=通称「サップ (SAPE)」と呼ばれる1950〜60年代のパリ紳士の服装に身を包み、街中を闊歩するスタイルのことです。

sapeurs-guinness-2_2787577cPhoto by:Hector Mediavilla

彼らはコンゴ共和国の首都ブラザビルの郊外にある バコンゴ地区を主な拠点とし、隣国のコンゴ民主共和国の首都キンシャサなどにも存在しています。
sapeurs-5_2787890cPhoto by:Hector Mediavilla

赤道直下のコンゴは1年を通して平均気温が30度を超す常夏の国です。ただそんなことは彼らには関係ありません。週末になると、ヨージ・ヤマモト、イヴ・サン・ローラン、ピエール・カルダン、プラダなどの有名ヨーロッパブランドのカラフルなスーツや蝶ネクタイ、革靴を見に付け街へと繰り出します。

sapeurs-4_2787889bPhoto by:Hector Mediavilla

サプールの原則として、コーディネートで使用する色は最大3色という鉄則があります。派手さよりもいかにシンプルな色の組み合わせでオシャレに着こなすかがポイントとなってきます。その姿にあのポール・スミスも刺激を受け、コレクションに反映させました。

blogger-image-1249058830出典:lh4.googleusercontent.com

一方、彼らの大半がサトウキビや家畜などの農畜産物を生業としているため、月給は30,000円程度しかありません。しかし月収の半分を、多い時には3ヶ月分を1度のファッションにつぎ込むことがあるのだとか。

pipe-and-man-1出典:http://iamindemand.blogspot.jp

実際には安価で売っている店もあるそうだが、2014年に放送されたNHK総合「地球イチバン」では、「世界一服にお金をかける男たち」として紹介されていました。

sapeurs-guinness_2787572cPhoto by:Hector Mediavilla

またサプールを一躍有名にしたのが黒ビールでおなじみのギネスビールのCMです。彼らのスタイルを紹介したこのCMが彼らの魅力を一段と引き立てています。


2)なぜサプールが生まれたのか!?そして、彼らの目指す未来とは。

サプールのルーツを探ると、1884年からフランスに統治されていた植民地時代に遡ります。コンゴの人々はフランス流のエレガントなファッションに出会い、西洋への憧れからそのスタイルを真似ようとしました。

当時のサプールは、ルイ・ヴィトンやヴェルサーチ、ヨージヤマモトなど、名だたる有名デザイナーの服や靴、アクセサリーなどを身につけて、おしゃれをすることが目的でした。

sapeurs-3_2787888cPhoto by:Hector Mediavilla

1960年の独立後の混乱に伴いサプールの文化は停滞していきました。しかし、1976年にコンゴ民主共和国の首都キンシャサでカリスマ歌手のパパ・ウェンバが登場したことで、サプールの文化は完全に定着したと言われています。

その後のサプールは、長く続いた内戦による混乱の中で「武器を捨て、エレガントに生きる」という哲学をそのファッションに落とし込んでいきました。

0a6864ab出典:LIVEDOOR.4.BLOGIMG.JP

それは外見に気を配る以上に、紳士的な態度や所作、礼儀を会得しておくこともサプールにとっては大切な要素として認識されていることを意味します。

現在では非暴力・平和の体現者となり、コンゴ政府の大臣にも認められました。彼らは街の子供たちや庶民にとっては英雄として尊敬されています。

kid-with-patch出典:http://iamindemand.blogspot.jp


3)コンゴは2つあるって知ってた!?もっと知ってほしいコンゴのこと。

さてここまででお気付きの方もいるかと思いますが、コンゴという国は実は2つ存在します。

元々はコンゴ王国というコンゴ川流域にまたがる1つの大国でした。しかし、植民地時代にフランスを宗主国とするコンゴ共和国、ベルギーを宗主国とするコンゴ民主共和国( ザイール)に分断されました。

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アフリカ第2位の国土面積と総人口(約7,000万人)を誇るコンゴ民主共和国では、これまで長い間内戦状態が続いていました。

紛争の原因となっているのが、同国東部で採掘されていダイヤモンドやコバルトなどの豊富な鉱物資源です。コンゴ民主共和国は世界トップクラスの鉱物資源大国です。コバルトは世界の65%がコンゴにあると言われています。

その中でも特にiPhoneを始めとするスマートフォンや電子機器に用いられる「レアメタル」の利権を巡り、コンゴ民主共和国や諸外国が争いを繰り広げています。その結果、約500万人の命が失われたと言われています。

サプールたちが存在する首都キンシャサ周辺は経済発展が進んでいます。一方で、資源が眠っている東部の地域ではまだ紛争が続いています。


まだ貧しい国ですが、エレガントであることに情熱とプライドを持ち続けているサプールたちの生き様が、きっとコンゴ両国の明るい未来に繋がっていくはずです。

28868bf852d0-babe-4bf8-9ca5-1ed5fc370620_m出典: 5ELECTION.COM

 

写真集も出ているみたいです。
気になる方はぜひ!

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書名:SAPEURS the Gentlemen of Bacongo
株式会社青幻舎
発売日:2015年6月中旬予定
判型:A5判・並製
総頁:224頁
定価:本体2,300円+税
ISBN:978-4-86152-499-8 C0072

 

2 Comments on 美意識が高すぎる!コンゴの謎のオシャレ集団「サプール」とは?

  1. 「コンゴ共和国は世界トップクラスの鉱物資源大国です」というのはコンゴ民主共和国の誤りですね。その下の「コンゴや諸外国が争いを」というのもコンゴ民主共和国のことですね。

    • ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通りです。
      内容を訂正いたしました。誤解を与える記述をし、大変申し訳ありませんでした。

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