「放浪息子」の作者が描く現実と妄想が行き交うちょっとダークな漫画「わがままちえちゃん」

完全にジャケ買いで読み進めた作品です。

第1話の衝撃のラストから第3話までは怒涛の展開が続きます。
一気に作品の世界に惹きつけられ、後はその勢いで読み進めていけます。

ほんわかしか表紙とは裏腹にとてもディープな作品になっています。

「ちえ」は、「さほ」とくらべられるのが、いやでした。

ある雨の日。青蘭中学の入学式を待ちわびる「塙さほ」は、
傘もささずに青蘭の制服を着て立っている少女と出会う。
「あたしがみえるの?」と語りかけてきたその少女は、みつあみで、幽霊で、名前は「ちえ」。
それを聞いた両親は、その子は、「さほ」の亡くなったお姉さんだという。
だが、母のお腹の中で死んだはずの自分が、なぜ成長して、青蘭の制服を着ているのか?
疑問に思った「ちえ」が、あることに気がついた、そのとき……。
「ちえ」と「さほ」、ある姉妹が遭遇した不思議なものがたり、その真実はどこに?
(Amazonからの引用)

※以下、ネタバレあります。


主人公のちえちゃんは、亡くなった双子の妹「さほ」に対して悔いた気持ちが残っています。

それは双子だからこそ持ちやすい、一見些細な感情だったと思います。
しかし「さほ」が死んでしまうことで、より表面化してしまいました。

物語の前半はちえちゃんの心情と妄想から物語が展開していきます。
そのため読み進めていくと、実は現実ではなかった内容が所々出てきます。

途中で読み返さないと、一瞬頭が混乱するほどです。

後半はちえちゃんの現実にグッとフォーカスが当たってきます。
ちえちゃんは、ちえちゃんの中で作られた「さほ」になぞるように行動してきます。

そんな中、周囲の人々がそっと寄り添おうとしていきます。
ただ劇的なラストがある訳ではないので、ここで終わり?くらいの印象です。

でも現実とはそんなものなのかも知れません。
引きずっている過去が、いくつかの出来事を通して解決することはないのでしょう。

起きた状況の中でいかに現実を直視し、心の折り合いをどこに持っていけるか。

そういった意味ではちえちゃんはきちんと心の均衡を保っているのだと思います。
最後はそのバランスが良い方向で少し保て始めたのかなっと感じました。

現実と妄想が行き来するので、状況把握しながら読み進めた方がいいですね。
過去にトラウマや自分にコンプレックスのある人には、共感できるポイントがあるのではないでしょうか。

Kindle版がオススメです。

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